〝全く興味がない〟それだけだった

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「ランドリゲス公爵様、書類と共に新しいソファと絨毯も一緒に送って下さいな」 「‥‥勿論だ」 「では、ランドリゲス公爵様、ソリッド様、ミケーレ様‥‥ごきげんよう」 泣きながら部屋から出て行くミケーレを、ソフィーアは満面の笑みで見送った。 「‥‥さようなら」 ルゼットにはミケーレに手を出さないように頼んでから、少しの間‥‥ソフィーアに関する死ぬほど怖い悪夢を見せてもらうように頼んだ。 (わたくしってなんて優しいのかしら) これでもうミケーレと関わる事はないだろう。 そして計画通り、窮屈なベルタ王国ともサヨナラだ。 「うふふ‥」 * 青い空には雲ひとつない。 ソフィーアは綺麗な景色を見ながら、優雅に紅茶を飲んでいた。 家族と共に新しい国で心機一転、素晴らしい日々を過ごしていた。 "ソフィーア"の美貌と魔法の力を最大限に活かして、計画通りに自由を手に入れる事が出来た。 "悲劇の令嬢ソフィーア"は、無事未来を変えることに成功した。 今は結婚を機に、祖母と同じように表舞台にはあまり出ないようにしながらも、ひっそりと静かに暮らしていた。 愛する旦那様と共に、優雅で幸せな日々を送っていた。 「ソフィーア」 「はい、旦那様」 「愛してるよ」 「わたくしも愛してますわ」 元婚約者がどうなったかって‥? "全く興味がない" それだけだった。 end
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