暗い夜
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暗い夜
実家の夜は明るかった。深夜まで姉がドラマを見て、廊下からは常夜灯が漏れて、祖母が何度かトイレへ行く。私はずっと、暗い夜を知らなかった。音もなく、自分の手の輪郭も見えない暗い夜。心臓の底まで落ちてゆく。
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