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そうそう、貴女と出会ったのは7つか8つの頃だった。
もう桜が散った武蔵野の路地で顔を合わせた僕らはまだ幼く、貴女が怯えたような表情で僕を見つめるもんだから、僕は貴女の名前にあやかってあだ名をつけたのでしたっけ。
その当時、まだ名前の売れていない洋菓子「シュークリーム」と呼ばれた貴女が猫のように目を丸くして驚いたのは、まだ僕の記憶の中で色褪せてなどいないのです。
「な、なんでシュークリームなのよ!」
「なんでってほら、貴女の名前からとったんですよ?」
頬を赤くしながら怒る貴女はさながら「いちご姫」と言ったところでしょうか……それを見たさに僕は何度もそう呼んだ。
──甘い物は好きじゃ無いけれど、今日は食べたい気分だな……。
それが、貴女とのはじまり。
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