車内で

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 搬送先の病院に向かう間、私は他の親戚に電話で説明をしていた。  少し落ち着いて来たその時、自分がすべきだった行動などを悟り、罪の重さに取り乱した。  私は「もっと早く救急車を呼んでいれば」と嘆いた。勿論、そんな事を言ってももう意味など無いと分かっている筈だった。  すると運転していた叔母が言った。  「貴方は医療従事者じゃ無いんだから、全部の判断を下せる訳じゃない。  そんな事を言ってもしょうがないよ。」  それから顔を険しくする。  「今ここならどれだけ泣いてもいい。  でも向こうで、先に救急車に乗って向かったお母さんの前で、泣いたり取り乱したりする事だけは絶対やめなさい。  お母さんももっと不安で、取り乱しそうなのを堪えているんだから。  貴方が今お母さんを支えなくてどうするの? 今はネガティブな考えは止めて、お父さんが手術を終えて無事に元気で戻ってくるイメージだけを思い描きなさい。」    そう言われたら涙が引っ込んだ。  そうだと思った。  自分の悲しみを優先してる時では無い。今こそ家族と手を取り合ってこの何曲を乗り越えるしか無いのだから。 夕暮れの故郷の景色を見ながら、歯を食い縛った。    
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