2.避けてるのに何で追ってくるんですか?

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 私が離婚宣言したって、いつもの事だと邪険にあしらわれたのだ。  誰にも本当は私がアデリナじゃないと気づかれない現状……  裏にはお国同士のパワーバランス問題……  今、私がバッドエンド回避に向けてできることは限られている。  それにローランドと円滑に離婚するにしても、冷静になって考えてみたら私はこの国の離婚や法律を、ほぼ何も知らない状態なのだ。  「アデリナ様は離婚について何をお調べになりたいのですか?」  だらしなく項垂れながら本を捲る私に、ホイットニーが背筋をピンと伸ばしたまま尋ねてくる。  「ええっとね……あのローランドに離婚を納得させる為には、法律による離婚事由で説得するのが一番早いでしょ?」  「離婚事由…ですか?」  「そう、例えばこの国の王族はどんな理由があれば離婚ができるのか。」  興味深そうに耳を傾けるホイットニーに私は丁寧に説明していく。  「あのローランドと性格が合わないから即離婚!できるのか、それともDVとかモラハラとか具体的な理由が必要なのか、とか。」  「でぃーぶい……もら、はら?」  ほぉっ、と言った顔でホイットニーは外国語のように言葉を復唱にする。  いや、可愛いな。ホイットニー。アデリナが側に置きたがっていた理由が分かる気がする。  「それに離婚時に財産分与は貰えるのか!ってのがポイントよ。  だって離婚が成立したら私は一人で生きていくわけでしょ?  その時にお金がなければ生きていけないじゃない。  別に贅沢なんてしなくていいから、当面の生活ができるお金があればいいのよ。逆に全くお金がないと困るの!  結局、世の中お金なんだから」  豪語しといて、本当それ。  現実の私もさっさとクズ夫に見切りをつけて、慰謝料踏んだくれば良かった。  そもそもアデリナの私財ってどのくらいあるんだろう?  王妃ってお給料制?  国から支給されてるならやっぱりローランドがアデリナにお小遣いとかあげてるのかな?  ……なん、も分からない!!王族とかに縁がある人生なんか歩んでこなかったしね!
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