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市民プールの
波をかき分けて
あの人の声
目立つ
大きな体で
大きな笑い声だ
競馬が好きだった
お酒が好きだった
孫がいたはずで
でも嫁はいなかった
彼は
いつも歩いていた
水の中を
誰にでも隔たりなく
挨拶をしながら
いつだったか
ご飯に行こうと
約束をしたのだけど
それは反故になった
彼は帰らぬ人に
噂話
信じられなくて
実際に
それが事実だと聞いたときにも
信じられなかった
当たり前の
人は死ぬという感覚を
違和感だと思うのなら
きっと僕は余りにもちっぽけだと思う
水際に
太陽が反射して
キラキラと光る
その光景を前に
たまに思い出す
あの笑い声を
流れ去ってからもなお
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