34人が本棚に入れています
本棚に追加
◆◇◆
その後。
ドレス選びを終えた私たちは、近くのカフェに寄ってお茶することになった。
フルーツがたくさんのったタルトの、ケーキセット。
こんな豪華なケーキ、初めてかも。
「おいしいー!」
タルトを頬張って幸せ一杯の私を見て、海ちゃんが目を細める。
「…桜ちゃん、良かったらこっちも食べてみる?」
海ちゃんは自分のガトーショコラの皿を私に寄せてくれた。
「いいの?」
「うん。これもすごい美味しいから、…食べてみて?」
「ありがとうー!」
もらったガトーショコラを一口。
とろけるような甘さと、ほろ苦いカカオの香りが口いっぱい広がった。
「美味しいー!最高ー!」
「良かった。
……桜ちゃん、今日は付き合ってくれてありがとう。桜ちゃんとドレスが選べて、私、…本当に嬉しかった」
「うん!私も!海ちゃんのドレス選べて嬉しかったよー」
「桜ちゃん……」
海ちゃんが安心したように顔をほころばせる。
そんな私達を、海ちゃんの婚約者さんが優しく見ていた。
◆◇◆
「…ちょっと、ごめんね。すぐ戻るから」
お茶の途中、海ちゃんが席を外す。
お手洗いかな?
そう思った私はわかったとうなずいた。
テーブルは私と婚約者さんの二人きりになった。
最初のコメントを投稿しよう!