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「私は一人っ子だけど、海ちゃんや空ちゃんがよく遊びに来てくれたから、お姉ちゃんやお兄ちゃんがいるみたいな感覚でした」
「そうなんだね。海もよく言ってるよ。桜ちゃんは本当の妹みたいだって。……妹みたいに可愛いって」
「え、えへへ。嬉しいなー。私、海ちゃんのこと大好きだから」
もちろん海ちゃんだけじゃない。
海ちゃんの双子の弟で、私の叔父さんの空ちゃんのことも。
お母さんとお父さんのことも。
おじいちゃん、おばあちゃんのことも。
みんな大好きで、うちの家族はみんな仲がいいと思う。
……そんなことを話すと、婚約者さんは目を細め、眩しそうに私を見た。
「うん。……すごくいいね。
僕も海のそんなところがとても好きなんだ。家族が好きで、家族を大切にしているところが」
そう話す婚約者さんの表情は優しかったけれど、少し寂しそうでもあった。
「あ、あの…」
「僕も、そんな家族になれるよう頑張るよ。桜ちゃん、よろしくね」
「は、はい!もちろんです」
うなずいたところで、海ちゃんが戻ってきた。
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