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「だから、手っ取り早い方法を考えました。」
そう言うと、ベルナールは立ち上がり、女神像を掴むと、それを持ってアルフレッドの前に進み出た。
ベルナールからは何とも言えない独特の気配が漂っていた。
「ベルナール様……?」
戸惑った表情を浮かべるアルフレッドの頭に、ベルナールは躊躇うことなく女神像を振り下ろした。
アルフレッドは一撃で声を出す暇もなくその場にくずおれ、真っ赤な鮮血が彼のスーツに飛び散った。
ベルナールは、それでも顔色一つ変えることなく、何度もアルフレッドの頭を殴り続けた。
僕は目の前で繰り広げられる惨状に動くことも出来ず、立ちすくんでいた。
アルフレッドはぐったりとその場に倒れ、ぴくりとも動かない。
僕がどうにか声を上げようとした時、ベルナールは、僕の方を見て小さく笑い、今度は女神像を自分自身の頭に振り降ろした。
「な、な、なにを…」
僕は全身ががたがたと震え、その場に膝を着いた。
ベルナールは、頭から流れる血を片手で押さえながら、インターフォンを押し、苦し気な声で言った。
「だ、誰か…来てくれ!」
すぐにメイドが二人、居間に現れた。
メイドは、血にまみれたアルフレッドとベルナールを見て、甲高い悲鳴を上げた。
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