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「ジュリアン・リヴェルをコールドスリープの刑に処す。」
「そんな……」
信じられない想いだった。
このところ、時間の流れにすっかり置き去りにされているような気分を感じていた。
僕は留置場に送られ、そして、それからしばらくして裁判が始まった。
僕は何もしていない。
そんな僕が刑に処されることなんてあるはずがない。
そうは思っていたが、現実は僕の考えとは違う方に進んで行った。
「僕は何もしていません!
執事さんを殺したのは、ベルナールさんです。」
「裁判長…アルフレッドは、僕が子供の頃からうちに勤めてくれていた者です。
彼とは今まで何の問題もありませんでしたし、彼ばかりではなく彼の家族ともまるで本当の家族のように親しくしていました。
そんな彼のことをなぜ私が殺すのです?」
美しい瞳を潤ませながら、ベルナールはそう言った。
彼の言うことは確かに筋が通っている。
当然、誰もが彼の言う事を信じた。
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