めぐり逢い~遥かなる時の彼方で

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* 「ジュリアン!」 「……えっ!?」 「どうしたんだよ、ぼーっとして…」 「あ…あぁ、すまなかった。 ……ちょっと昔のことを思い出してた。」 「そうか…いやなことを思い出させちまったかな。」 「いや…そんなことはない。」 それは嘘ではない。 久しぶりにアンナのことを思い出したのだから。 目覚めてからはいろんなことがありすぎて、不思議と彼女のことを思い出すことはなかった。 彼女の最後の記憶は切ないもので… 思い出して楽しいものではなかったが、それでも僕にとってあれは大切な思い出だ。 あれからアンナはどうしたのだろう? ベルナールの嘘を信じて、彼と結婚したのだろうか? 彼女は幸せだっただろうか? 「ジュリアン…もしかして、あんた、好きな人がいたんじゃないか?」 「え?ど、どうして?」 「やっぱりな。そんな顔してたから…」 ダグに言い当てられ、何だか照れくさくて、僕はそっと俯いた。
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