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「皆、聞いてくれ!明日から、生存者を探しにちょっと遠出しようと思うんだが、希望者はいるか?」
マックスの言葉に、三人が手を上げた。
「あと一人乗れるが、もういないか?」
「じゃあ、僕も…」
なぜ、そんなことを言ってしまったのかはわからない。
だけど、ふとそんな気持ちになったのだ。
「では、明日からこの四人に行ってもらう。」
*
「じゃあ、行って来ます。」
「あぁ、気を付けてな!」
次の日の朝、僕達は皆に見送られ、唯一、走ることの出来る車に乗り込み出発した。
比較的損傷の少ない車をエンジニアが苦労して直した代物だ。
「やっぱりどこも同じだな。」
しばらく走った後、アランが沈んだ声でそう言った。
アランの言う通り、どこも壊滅的なやられようだ。
所々に生存者がいたが、僕らの作ったコミュニティのような規模ではない。
僕らは、人に会う度にコミュニティのことを話した。
合流してくれれば、どちらにとっても有益だからだ。
「見ろよ!あそこに巨大なクレーターがある!
隕石が落ちたのはあそこじゃないか?」
何日かが経った時、僕らは隕石が落ちたであろう場所を発見した。
地表は深くえぐられ、そこにはもはや瓦礫さえない。
隕石の衝突によって、建物は、皆、砕けて塵と化したのだろう。
「近付いてみてみよう!」
「馬鹿を言うな、あいつのおかげで磁場がおかしくなってるんだぜ。
近寄ったりしたら、この車もまた動かなくなっちまう。」
「あ、そうか…」
僕達はその場所をそうそうに通り過ぎ、さらに車を走らせた。
それから、また何日かが過ぎた頃、人々の集う場所を発見した。
僕らのコミュニティと比べても引けを取らないくらい、けっこう大規模なコミュニティがあったのだ。
「すごい!あんなにたくさんの人がいるぞ!」
コミュニティの人々もすぐに僕らの車に気付いて、手を振ってくれた。
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