めぐり逢い~遥かなる時の彼方で

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近付くに連れ、大半の者達が同じ服を着ていることがわかった。 さらに、そのほとんどが女性だということも… 「まさか、あれは……」 コミュニティの傍に着き、僕は予想が当たっていたことに気が付いた。 「アラン…彼女たちは…」 「あぁ、そのようだな。」 車から降りた僕達の周りに、リーダーと思しき女性が近付いて来た。 「すごいね、車を持ってるなんて。」 「あぁ、これは唯一走れる車なんだ。 俺達は、KS地区から来た。 ここはどこなんだ?」 「ここはRD地区だよ。」 「そうか…それで君達は……」 「この服装を見ればわかるだろ?」 女性は悪びれた様子もなくそう言った。 「やはりそうか。 監獄はこの近くなのか?」 「あぁ、すぐ近くだよ。 大半は土砂に埋まったり、生命維持装置が壊れて死んだけどね。」 彼女たちは、胸にナンバーと名前の描かれた淡いオレンジ色の服を着ていた。 僕と同じ、コールドスリープの女囚達だ。 「とにかく、ここじゃなんだ。 向こうでゆっくり話そう。」 そう言って、女性は僕達の前を歩き始めた。 「ここの生活はずいぶんと安定してるようだな。」 「監獄に食料の備蓄があったからね。 それに、近くに泉があるんだ。」 「えっ!?水が?飲んでも大丈夫なのか?」 「あぁ、なんともない。 そのおかげで、私達はどうにか暮らせてるのさ。」 いくつかある小屋の一つに、僕達は通された。 「ようこそ。あたしはここを仕切ってるミランダだよ。そして、こっちがマギー。」 「よろしくな、ミランダ、マギー。俺はアラン、そして…」 アランは僕達のことを紹介してくれた。
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