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「どうだい?けっこううまく出来てるだろ?」
「そうだね。ここの住人はほとんどが女性なのにたいしたもんだね。」
作業をしていた女性達が僕を見て、声を掛けてくれたり手を振ってくれた。
「生き残りの中に建設業の者がいたからね。
その人に教えてもらいながら、皆で頑張ったんだ。
ほら、あの窓のガラスは私達の棺で作ったんだよ。」
マギーはそう言って笑った。
ここの者達は大半が囚人だというのに、皆、本当に明るい。
おそろいの囚人服さえ着ていなければ、彼女達が囚人だなんて…しかもコールドスリープの囚人達だなんてとても思えなかっただろう。
「ねぇ…おかしなことを聞くけど…君は何年眠ってたんだい?」
「私は…そうだね、だいたい360年くらいかな。
だから、こう見えてあんたよりずっと年上なんだよ。」
微笑むマギーに、僕は小さく首を振った。
マギーはその意味がわからないようで、不思議そうな顔をしていた。
今、僕はあの水色の服を着ていない。
だから、彼女には僕が同じコールドスリープの囚人だとはわからなくても当然だ。
別に隠すつもりはないが、特に今話す必要もないように思えて黙っていた。
「ここの監獄にはどのくらいの人がいたんだい?」
「さぁ、よくわからないけど、三階層あったから、多分、三千人くらいじゃないかな。」
「そうか…意外と少ないんだね。」
「ここはまだ比較的新しい監獄だからね。」
マギーはそう言って小さく肩をすくめた。
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