そこに存在するだけで

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 時々想像する。違う世界線の自分のこと。  桜の木。  それはきっと、この世界に存在するだけで誰かのためになる。 『(おまえ)』のせいで『(おれ)』という存在が霞んでしまう。  何も残せない自分が惨めになる。  もしも俺の名前が『桜』じゃなかったら、お前のことも嫌いにはならなかったのかな。

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