導入

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フォゼルフ2ー4 前回からのあらすじ。 任務を終えて、第7フォゼ師団に戻ろうとしていたフォゼ尾。 帰りの列車に乗車をするべくホームに立っていたのなら「命は粗末にするものではありませんよ」という声が聞こえた直後に、線路の上へ投げ出され、次に気がついていた時にはおびただしい数の「人だったはずのもの」が散らばる、この世のものとは思えぬ惨状の列車内だった。 フォゼ尾がどうするべきかとしているところで、列車内のスピーカーから 「本日は当列車をご利用くださいまして、誠にありがとうございます。 途中、終点までに、3駅を通過致します。 お乗り間違えのお客様がいらっしゃいましたら、至急、乗務員にその旨をお伝えくださいますよう、お願いいたします」 というアナウンスが流れたことで、 行動探索を始める。 アナウンスにもあった「乗務員に乗り間違えを伝える」という のを実行するべく探索をしていたところで、進行方向とは 逆方向の車両に「乗務員室」と書かれた扉をフォゼ尾は 見つけて、そちらに移動する。 移動した車両の先で、唯一乗客として座っていたスーツの 人物に《目星》をし、凄惨な状況に狼狽え、言葉を漏らした ところで、クトゥルフ名物、神話生物のムーンビーストが車 両の窓を割って飛び込んでくる。 フォゼ尾はすかさず応戦をしようとしたところで、 三十八式歩兵銃の引き金を引いたが、それは まさかの失敗となった。 ムーンビーストからの攻撃を覚悟していたフォゼ尾 だったが、どういうわけか乗務員室の文字を確認を したのならば、神話生物は忌々しそうな奇声をあげ て戻っていってしまう。 これまでの出来事を考えて、改めて乗務員室に向かおう としたところで、フォゼ尾の爪先が何かを蹴る。 それは先程凄絶な最後を迎えたスーツの人物が持っていた 「ナイフ」で、得意の三十八式歩兵銃の攻撃を失敗してい たフォゼ尾は、用心の為に持っていくことにした。 乗務員室の扉を手にかけたのなら、特に施錠されていること もなく開く。そして中に入ってみれば、薄暗く、運転のための 機器類や放送機材など一般的な列車と同じ作りになっていると なって、そこには「車掌服姿の人影」がいた。 人影だけあって、そこに風貌などはなく車掌服とその上に帽子が浮かんでいることに驚きつつも、フォゼ尾は自分が「乗り間違えた」事を伝えるべく、その肩を警戒しつつ叩いてみた。 肩を叩かれた「人影の乗務員」は、フォゼ尾の方に向き直ったのなら、黒いモヤの顔に、唇の様なものが浮かび上がらせ 「どうかなされましたか、お客様。申し訳ございませんが、わたくしは見ての通り《車内放送のためだけ》に乗車しております。お手数ですがなにかご用事がございましたら、他の乗務員にお伝えくださいませ」 とだけ言い、またすぐ窓の外を向いてしまう。 それから直ぐ 「1駅目、ただいま通過いたしました」 と口にしたところまでが、前回までのあらすじだな。
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