導入

17/19
前へ
/19ページ
次へ
加えて、イサム君は相変わらず「兄さま」と頑なに 呼び続け、フォゼ尾と確りと手を繋がれている状態だ。 微笑ましいな♪。 (…微笑ましいか?) さて、イサム君と手を繋いでこの列車内の全体的に 目星をしても、もう情報がないとわかったところで、 前回は終了をした。ここからは、どうするかね? 情報がないというのなら、次に進むしかないですね。 ちなみに「イサム君」に俺が兄でないと改めて告げた のならどうなりますか? 「何、言っているんですか!兄さまは兄さまですよ!」 と、やっぱり元気よく返事をしてくれるな。ちなみに キーパーとして、情報を流すけれども、ここでは 《説得or言いくるめ》の-20で振ることで、「お兄ちゃん ではない」と理解させる事は可能かもしれない。 後は、フォゼ尾はあくまでも狙撃主としてキャラクターシートを 作ってもあるんで、技能としては入れてないんだが、《精神分析》 が使えたのなら、イサム君のより詳細な事情が分かるかもしれな いという事を伝えて置こう。 《精神分析》は技能でとらない限りは、 基本的に1%じゃないですか…。 うん、でもTRPGなら技能ばかりに頼らなくても、 こうやって実際に言葉を交わすことだけでも、十分に 情報を掴めるし、想像できるからね。 ちなみに、改めて言わせてもらえれば、このシナリオは 考えることがメインであるから、技能固執せずに、考える ことで十分にやっていける(筈@余程ファンぶらなければ)。 …わかりました。それでは探索者の俺としては、 イサム君に余計な刺激を与えないで、やっていく方針にします。 (兄さま、呼ばれるくらいは我慢するか) それでは時間も惜しいので、次の車両に向かいます。 確か、イサム…くんが座っていた隣の空席から続く 血で、隣の車両の窓が見えないんですよね、キーパー? うむ、そのとおりだ。加えてそれではここで 強制の技能(聞き耳)をしてもらおう。 ヴぇ?! ※キーパーからの《聞き耳》はろくなことがないと認識しています。 《聞き耳 75 → 38 成功!》 それではろくでもない聞き耳が成功したことで、 入ってくる情報を流すぞ。今はまだ閉じられて いる血だらけの車両の扉の向こうから、 「いやだ、…しにたくない!…たくないよ!」 と、いったはっきりとはしないが、イサムくんとは違った こどもの声が幽かに聞き取れ、直ぐに消えてしまった。 そして、イサムくんも「…え?兄さまの声?」 と不思議そうに呟くな。 キーパー、狙撃主の俺は物凄く臆病なんで、車両の扉を ゆっくりと開けて隣の車両を確認したいと思います。 了解した、これまで確りと慎重と臆病さに則った ロールプレイをしていたのでキーパーとして認めよう。 フォゼ尾はゆっくりと血塗れの車両の扉を開いて、中を確認する。 そこは目覚めた車両と同じくらいに車内は血まみれであり、死体で 散らかっている。どうやらここは先頭車両のようで、奥にフォゼ尾 の目的である乗務員室らしきものが見えたな。 その中間ぐらいの窓に大量に血が付着しており、窓枠が ひしゃげている。そしてその側には血まみれの、どう みても大人のものとは思えない小さな腕が落ちていた。 この状況下で腕の持ち主の姿も声もないことからフォゼ尾は あの小さな腕の持ち主は窓から外に放り出され、必死にしが みついていた腕を窓枠をギロチンのように使い切り離されて しまったのだと想像してしまう。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加