導入

3/19
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/19ページ
さて、フォゼ尾は軍からの任務を終え、駅で帰りの 列車を待っている。やがて駅構内のアナウンスと共に 列車の汽笛がホームに近づいて来ていた。 フォゼ尾は乗車するため、乗車位置へ一歩足を進める。 すると、背後からやけに耳触りの良い、どこか 楽しげな声が聞こえてくる。 「命は粗末にするものではないよ」   その直後、フォゼ尾の身体はホームから線路の上へ投げ 出されてる。 轟音と、まばゆいばかりの電車のライトがすぐ目の 前に迫ってきていて、その光に飲み込まれるように、 フォゼ尾の意識は遠のいていった。 それからどのくらいの時間が進んだかはわからない、 そんな中でフォゼ尾は心地の良くも感んじる揺れと 音に、暗闇の中で意識がゆっくりと浮上する。 どうやらそこは列車の中で、フォゼ尾は座席に座り、 いつのまにかいつもの様に居眠りでもしていたかの ように目をつむっていた様だった。 ぼんやりとした意識のままゆるゆると目を開けると、そこは おびただしい数の「人だったはずのもの」が散らばる、 かつて203高地で見かけたような惨状が広がっている。 やがて列車内にある拡声器から、よく通る無機質な声が響きます。 「本日は当列車をご利用くださいまして、誠にありがとう ございます。途中、終点までに、3駅を通過致します。 お乗り間違えのお客様がいらっしゃいましたら、至急、 乗務員にその旨をお伝えくださいますよう、お願いいたします」  その後列車内の拡声器は沈黙し、あとには電車の走る音だが耳に入ってくるな。 さて、ここから探索者の自由行動になるんだが、何にしてもこのかつての203高地を彷彿とさせる場所だから、早速SAN値チェックいってみようか。 成功で1、失敗で1d2の減少だ。 ヴェ、最初から1減るのは確定かよ… 《フォゼ尾 SAN値 75 → 69 成功》 成功か、じゃあ1減少のSAN値は74にしておいてくれ。 ちなみに、目星を使うまでもなくわかる状況として、他には車両内には真っ赤な文字で「しにたくない」とびっしり書かれてもいる。 進行方向とその逆側にそれぞれ扉があり、窓が付いているので 先の車両を見ることもできる。窓の外は真っ暗であり、何も見 えない、ここまでが技能なしで確認出来ることになるな。 …ふぅん、キーパー、それでは俺が持っている 技能で現状使えるものは何になります? そうだね、フォゼ尾の持っている技能ならこの 場合は目星だな。後は203高地の如くある死体達に 対しては、本来なら医学だが経験者としては、 アイデアでも情報が分かることにことにしようか。 わかった、両方とも振ります。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!