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さて、フォゼ尾は軍からの任務を終え、駅で帰りの
列車を待っている。やがて駅構内のアナウンスと共に
列車の汽笛がホームに近づいて来ていた。
フォゼ尾は乗車するため、乗車位置へ一歩足を進める。
すると、背後からやけに耳触りの良い、どこか
楽しげな声が聞こえてくる。
「命は粗末にするものではないよ」
その直後、フォゼ尾の身体はホームから線路の上へ投げ
出されてる。
轟音と、まばゆいばかりの電車のライトがすぐ目の
前に迫ってきていて、その光に飲み込まれるように、
フォゼ尾の意識は遠のいていった。
それからどのくらいの時間が進んだかはわからない、
そんな中でフォゼ尾は心地の良くも感んじる揺れと
音に、暗闇の中で意識がゆっくりと浮上する。
どうやらそこは列車の中で、フォゼ尾は座席に座り、
いつのまにかいつもの様に居眠りでもしていたかの
ように目をつむっていた様だった。
ぼんやりとした意識のままゆるゆると目を開けると、そこは
おびただしい数の「人だったはずのもの」が散らばる、
かつて203高地で見かけたような惨状が広がっている。
やがて列車内にある拡声器から、よく通る無機質な声が響きます。
「本日は当列車をご利用くださいまして、誠にありがとう
ございます。途中、終点までに、3駅を通過致します。
お乗り間違えのお客様がいらっしゃいましたら、至急、
乗務員にその旨をお伝えくださいますよう、お願いいたします」
その後列車内の拡声器は沈黙し、あとには電車の走る音だが耳に入ってくるな。
さて、ここから探索者の自由行動になるんだが、何にしてもこのかつての203高地を彷彿とさせる場所だから、早速SAN値チェックいってみようか。
成功で1、失敗で1d2の減少だ。
ヴェ、最初から1減るのは確定かよ…
《フォゼ尾 SAN値 75 → 69 成功》
成功か、じゃあ1減少のSAN値は74にしておいてくれ。
ちなみに、目星を使うまでもなくわかる状況として、他には車両内には真っ赤な文字で「しにたくない」とびっしり書かれてもいる。
進行方向とその逆側にそれぞれ扉があり、窓が付いているので
先の車両を見ることもできる。窓の外は真っ暗であり、何も見
えない、ここまでが技能なしで確認出来ることになるな。
…ふぅん、キーパー、それでは俺が持っている
技能で現状使えるものは何になります?
そうだね、フォゼ尾の持っている技能ならこの
場合は目星だな。後は203高地の如くある死体達に
対しては、本来なら医学だが経験者としては、
アイデアでも情報が分かることにことにしようか。
わかった、両方とも振ります。
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