導入

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ふぅん、何にしても行動をした方が良さそうだ。さっきの アナウンスからしても「お乗り間違えのお客様がいらっしゃい ましたら、至急、乗務員にその旨をお伝えくださいますよう、 お願いいたします」って、あったからな。 俺はこの列車に乗った覚えがない。だから、きっと "お乗り間違えのお客様"という奴になるんだろうから、 何しても先ずは乗務員に会う為に探すとするか。 ふむ、では車両を移動ということで、良いかな? ああ、大丈夫だ。 それでは進行方向、進行方向とは逆向きどちらにも硝子張りの扉がある。 どちらにいくかな? ガラス張りということは、その向こうの様子が見ることが可能ということだよ、キーパー?。 ああ、そうだね。どちらにしても見ることは可能だけれども、見たままの情報を仕入れることは出来るけれども、特に技能を使ってもわかることはないと前もって行っておこう。 ペナルティがないというのなら、両方覗いて見ることにしよう。 じゃあ、先ずは列車の進行方向の扉を覗い時の情報をくれ。 解った、それではフォゼ尾が進行方向にある扉を覗いて見れば、更に奥に、現在目の前にあるのと全く同じ先の列車を先に続く扉があることから、先頭車両ではないのが伺えたな。 列車内は、現在いるような203高地の戦場後を彷彿とさせるような惨憺足る情景ではなく、比較的綺麗な車両で、座席いっぱいに人が座っているのが見える。 ただ、皆一様に深く俯いており顔は見えず、全く動く様子もない。 そうか、じゃあ次は進行方向とは逆の方の列車を窓から覗く、情報を教えて欲しい。 それでは、進行方向とは逆の車両へ続く扉の窓を覗いた際に判る情報を告げよう。 どうやら最後尾の車両のようで、奥に乗務員室らしきものが見える。 ただし暗幕が掛かっており、中は見えない。 こちらの列車内は比較的散らかっておらず、座席に スーツの男が一人、深く俯いて座っているのが見え るが顔は見えないし、動く様子もない。 …どっちも人がいるが、動く様子がないってことか。ただ、PCの 俺としては"お乗り間違えのお客様"として乗務員に何にしても知ら せないといけないと考えるだろうから、乗務員室がある方に向かおう。 というわけで、進行方向とは逆の方向に進むぞキーパー。 一応、銃は即座に撃てる様に準備をしておくぜ。 それでは万が一に備えて、最後尾と思われる車両にフォゼ尾は入った。 先程入る前に確認した通り、多少血や死体はあるものの、意識を取り戻した車両ほど散らかってはいない。 最奥にある乗務員室は暗幕がかかっていて中は見えないが、どうやらここが一番端の車両というのはわかった。 そして、スーツの男が深く俯き座席に座っている。
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