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血が嫌いな吸血鬼
吸血鬼が血を好きだと誰が決めた?
人の血が美味しいとなぜ思う。
俺の口にはあの味は合わない。
不味いし、口元は赤く汚れるし、最悪だ。
俺は血の代わりに、人の血液の成分を真似て作られたタブレットを飲む。
皮肉なもので、このタブレットは人間が作っている。
俺は、昼過ぎまで寝て、夜間学校の教師として教壇に立つ。人間界で生活するにはお金がいる。その為には働かなくてはならない。
そして、俺の正体を知る者は、理事長と主治医のみ。
この生活をかれこれ10年以上続けている。
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