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「今月分のタブレットをもらいに来た。」
「そろそろ来る頃だと思って、準備しておいた。」
リュートは俺に丸いアルミケースを差し出した。
「なぁ、フェルノ、本当は身体辛いんじゃないのか?」
「こんな苦しみ慣れてるよ。」
「だとしても、タブレットを飲み続けたらいずれ耐性がつく。そしたらもう効果はない。飢えて死ぬだけだ。」
リュートは俺に訴えかけた。
「その時は運命を受け入れるだけさ。」
「フェルノ、俺は医者だ。その時は、お前が泣き叫んでも、俺の血を飲ませる。俺がお前を死なせない。」
そう告げるリュートの顔はいつになく真剣だった。
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