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シアside 今日から「私立春宮高等学校」の生徒として登校する。そう考えると口元が緩んでしまう。 そう、私…橘シアは浮かれていた。 着替えた制服で鏡の前をくるりと一周回ってみる。 紺色のセーラー服である制服のスカートはふわりと広がり、赤色のリボンは静かに揺れた。 この制服のデザインはシンプルすぎて地味だと言われているらしいが、私からするとかわいらしい。地味だとかほざく人にシンプルは正義だと叫びたい。近所迷惑になりそうなためやめておくが。 コンコンコンと扉を軽く叩く音が聞こえる。 ?「お嬢様、終わりましたか?」 シ「うん。入ってきて」 危ない危ない。また自分だけの世界に入ってしまった。 ガチャッと扉が開き、見慣れた執事服が現れた。 ?「よくお似合いです。お嬢様」 シ「ありがとう、ルカ」 すらっとした脚を伸ばし、形の良い唇で甘く囁く黒髪赤目のスパダリイケメン…!!!! …と言われている男が私の専属執事である。名を津田ルカという。イケメンとか言われてもそんな目で見たことがないのでわからんというのが本音であるが。  仕事はできるし、容姿に恵まれている(らしい)。気遣いもできる優秀な執事だと思う。 まさに完璧だと言いたいところだが、誰にでも欠点はあるというもので…。 ル「…もういいですか?」 シ「うん。もういいよ、ルカ」 ル「…はあ。何であいつら今日に限ってこねぇんだいつもうるさくストーカーしてるくせにしかもあいつも手紙送るとか言ってたくせに何も来ねぇしあの毒吐き次男坊が…。そんなんだから嫌われてるんだろぉがよ。いっぺん生まれ変わってやり直してこいおとといきやがれクソガキが」 そう、ONとOFFが激しく、許可したら到底執事とは思えない言葉遣いになるのだ。口が悪くても格好良いのは多分幼馴染補正だ。 …え?そこまでではない?まぁその内分かるさ、きっと。
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