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Looking for the Grim Reaper
翌日、俺と七瀬は学校近くのファミレスで向かい合って座っていた。
「えっとー、改めて。俺は2年A組の矢神龍星。よろしく」
「2年D組七瀬琴乃です。こちらこそよろしくね」
「じゃあ始めるか」
「うん」
始めるというのはもちろん、『死神』捜しのことだ。『死神』の正体を暴く。俺はそう心に決めた。だが……
「始めるとは言ったものの、何をすればいいんだ?」
俺たちは警察でも探偵でもない、全くの素人だ。一体何から始めればいいと言うんだろうか。
「まず初歩的な問題なんだけど、『死神』は学校内にいるってことでいいのかな?」
「そうだな。今のところ被害者は全員駒鐘高校の生徒だし、それにその手紙、下駄箱に入ってたんだろ?校内に部外者は入れないから、そうなるとやっぱり『死神』は駒鐘高校の生徒ってことだよな」
「先生っていう可能性もあるかも」
「あ、確かに。高校生がこんな残酷なことするなんて思えないし、そっちの方が自然かもな」
「うん。疑心暗鬼になっちゃうし、あんまり考えたくないけど……」
プルルルルル……プルルルルル……
「あ、わりぃ。ちょっと電話」
俺は席を立つと、店の外に出た。スマホの画面を見ると、港からの着信だ。
「もしもし」
「もしもし龍星?聞いたか?」
「ん?何を?」
「1年の生徒が2人、死んだって………」
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