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「止めるって言ったって……七瀬さんも本当にそれでいいのか?」
「私は、このまま何もしなかったらきっと殺される。『死神』の正体に近づけば近づくほど、危険な目に遭うかもしれないっていうのはわかってる。でも、手紙が来てから一週間、怯えるしかなかった私に、矢神くんは希望の光をくれた。だったら、少しでも望みがあるなら、それに賭けたい。そう思って矢神くんに協力することにしたの。だから後悔はない。」
「ねえ。私にも手伝わせてくれない?」
「玲奈!?」
「私も、親友2人、葵と一花の命を奪った『死神』が許せない。これ以上好き勝手させられないよ!人数は多い方が良いでしょ。だから私にもやらさせてもらえないかな、『死神』捜し」
「玲奈、何言ってんだよ!ちょっと落ち着けって」
「港!何ビビってんのよ!」
「え、い、いや、そういうんじゃないって!」
港は慌てて否定する。
「港がそんなチキンだとは思わなかったなあ」
白石はがっかりした様子で肩を落とす。
「わ、わかったよ!俺もやるよ『死神』捜し!ぜってー俺が見つけてやるよ!玲奈のことは俺が守る!!」
「ふふっ。ありがとう港。大好き!!」
「ははっ、見てらんねえな」
イチャつくバカップルを横目で見ながら、俺は小さく呟いた。でも、2人が協力してくれるとは助かったな。俺と七瀬だけでどうにかなるものかと悩んでいたのだ。
百合園。守れなくてごめん。でもせめて、お前の無念は俺が晴らすから。
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