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「ああー、うちは高校生雇ってないんですよねー」
そうか。その可能性があることを完全に忘れていた。
「あっ、そうなんですか。それは失礼致しました」
「あ!でも、面接に来た子はいましたよ。確か、この前の日曜日。高校生は雇って無いからってすぐに帰しちゃったんですけど、駒鐘高校の生徒さんだったと思いますよ」
「この前の日曜日……」
忘れもしない。百合園が死んだ日だ。
「本当ですか?その生徒の名前は?」
「すみません。これ以上はちょっと、教えられません。個人情報ですので。直接来て頂いて、駒鐘高校の教師さんだと確認がとれれば何とかなるんですが」
「あ、そうなんですねー………。今ちょっと立て込んでまして、出来ればお電話でお聞きしたいんですけど……難しいですかね?」
「そうですねー、個人情報なので」
「……そうですか。あー、でも実際に働いているわけでは無いので今回は見逃してあげようと思います。お忙しい中すみませんでした」
俺はそれ以上何も聞かれないうちに電話を切ると、七瀬と顔を見合わせた。
「怪しい、よね」
「ああ、だいぶ。でも名前は聞き出せそうになかったしなぁ」
「けど、このまま諦めるにはもったいない情報だよね」
「そうだよなぁ」
「ねえ、こういうのはどうかな?」
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