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授業中は生徒も先生もいるし、目立つことをするとすぐバレるので『死神』は動かないと判断した。昼休み、護衛は港にバトンタッチした。七瀬には中庭の噴水前で過ごしてもらい、港は少し遠くのベンチから様子をうかがう。
「港、どうだった?」
「異常なし。特に怪しい奴は見当たらなかった」
「そうか」
「でも、『死神』が殺すチャンスをうかがってたとしてもおかしく無いよな」
「ああ。今までだってそうしてきたんだろうからな……」
午後の授業を終えて放課後。今度は白石の担当だ。七瀬が所属する美術部の活動中、準備室から監視する。部活中は他の生徒もいるし大丈夫だとは思うのだが、念の為だ。
2時間ほどして、白石からメッセージが届いた。
「無事部活終了。後はよろしく」
「よし」
俺は美術室前の廊下に向かうと、出てきた七瀬の後を追った。下校中。『死神』が殺しに来るならここではないかと俺たちは考えていた。
電車を降り、あとは家まで歩くだけ。七瀬には行きとは違う、より細く人通りの少ない道を歩くよう言ってあった。予想通りほとんど人がいない。これなら『死神』も襲いやすいだろう。
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