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「あのさ、百合園。少しは元気出たか？」
「えっ？」
「お前あの日から――森本が死んでから、ずっとふさぎ込んでただろ。だから、ちょっとは気晴らしになったかなって」
百合園ははっとした表情になると、どこか嬉しそうな、それでいて少し恥ずかしそうな顔で言った。
「うん。ありがとう。楽しかったよ」
「そっか。なら良かった。それでさ、その……これからも百合園の笑顔は俺が守りたいっていうか、要はさ……」
「矢神くんは優しいね。そういうところ、好きだな」
「え？」
「私、ちょっとお手洗い行ってくるね」
「え？あ……うん」
これは、つまり、どういうことだ？
俺はパニックに陥った。このタイミングでトイレに行くってことは、俺は振られたのか？でも好きだっていわれたよな？何なんだ？百合園が戻ってきたら、俺はどういう反応をすればいいんだ？
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