Sacrifice

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バタンッ!! 突然店の奥から大きな音がした。 「お、お客様!大丈夫ですかっ?」 「誰か救急車を!」 慌てる店員たちの声が聞こえる。一体何事だ?俺は席を立ち、店の奥をのぞく。するとそこには、床に倒れ込み、苦しそうに呻く百合園の姿があった。 「ゆ、百合園!どうした?大丈夫か!」 俺は一目散に百合園に駆け寄った。 「あっ、はぁ、はぁ……うっうぅ……」 「どうした?苦しいのか?」 突然の事態に頭が真っ白になり、何をしていいのかわからない。 「うっぅぅ……やが、み……くん……はぁ、はっ……あの、こ、を……たすけて…………」 は?「あのこ」って誰だよ?助けるって… 「ど、どういうことだよ?……おい、百合園?百合園――」
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