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「ぇさn、さなえさん、早苗さん!!」
眠りについてた私は、私を呼ぶ声で徐々に覚醒していく。
「どうしたの?七海ちゃん?」
時計に目をやると、朝の4時ちょっと。
「早苗さん、外を見て」
七海ちゃんに手を掴まれ、窓の方に行くと、そこには、、、
「なに?これ!?」
そこには、まだ日もでてない空に、何かで叩いてヒビを入れたような亀裂が出来ていて、そこから光が射し込んでいた。
「この世界が終わりを告げる、それはつまり、早苗さんが無事に元の世界に戻れると言うこと、おめでとう早苗さん!♪ちょっぴり寂しいけど、この数日間ほんとに楽しかったよ!♪」
わいわいとはしゃぐ七海ちゃん、空には亀裂、状況が理解できずに七海ちゃんに問う。
「七海ちゃん、あの亀裂なんなの!?この世界が終わりを告げる!?元の世界に戻れる!?」
「そうだよ早苗さん!♪早苗さんは元の世界に戻れるの!♪頑張ったね!良かったよ!」
七海ちゃんは私に向かって真っ直ぐに立ち、私を見つめて、両手を自分の胸元に寄せて嬉しそうに告げる。
「早苗さん、私はね、最後に誰かの、いや、早苗さんの役に立てて良かった。本当に心からそう思う。早苗さん!♪私はこれからずっと早苗さんと生きて行く、だから早苗さん、私と一緒に楽しく長生きしようね!♪」
七海ちゃんの身体にも、空と同じような亀裂が入っていく。触れてしまえば、割れて崩れてしまいそうなくらいに、亀裂は広がっていく。
「七海ちゃん!?どうしたの!?大丈夫なの!?」
私は亀裂の広がっていく空と七海ちゃんをどうしたら良いのか必死に考えていると、七海ちゃんが私の手を取って自分の胸元に寄せる。
「大丈夫だよ、早苗さん、私はずっとここにいるから」
その事葉と共に、私の意識はシャットダウンした。
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