Re:ICT

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Re:ICT

 「.ホントなんだって!」  聖の営む鏡屋で法が事の顛末を激白した。  気にする様子もなく聖は、そんな法にあ~んと促した。  何の気なしに法は口を開く。  そこに噛んでいたガムを吐き捨てる聖。  クチャクチャ噛むも。  「~味ないよー」  「当たり前じゃんオレが噛んでたんだから」  そんな法がいる鏡屋の前の路地を通り過ぎたのは、名前不詳だった。  法は座っている椅子の上で足をバタバタとさせて、口元に左手を右手はその名前不詳のほうを指さして聖に言った。  「ほらほら!いた!窓の向こうにいたよ!あの男」  聖は気怠さそうに法の言うことを聞いて、鏡屋の外に出て様子を伺った。  聖が鏡屋から出たタイミングを見計らい名前不詳が鏡屋に入ってきた。  受付の前の椅子に座っている法の前に立った名前不詳。  ガクガクと震えながら名前不詳を見つめる法。  名前不詳はテーブルに置いてある、加熱式のタバコの吸い殻が入ったアルミの灰皿を手に掴むと、乱暴に法の頭目がけて振り下ろした。  ボッコンボッコンと鈍い音が鳴る。  「ちょ痛い!やめて!」  名前不詳は法に大声で乱暴に言った。  「後、つけてんだからどこに行くとか分かるだろうが!!」  「ちょ聖―!助けて!」  中の様子がおかしいと聖が鏡屋の中へ戻ってきた。  法を襲う名前不詳を見つけた聖は、すぐさま駆けつけた。  法を叩いていた名前不詳は制止する聖を振り払うと、受付のテーブルに置いてあった、聖の車の鍵を奪うとそのまま表に出た。  頭を抱えて蹲る法を介抱する聖。  名前不詳は聖の車に乗り込み、車を走らせてその場から去っていった。  聖は介抱している法の元から起き上がると、激怒して名前不詳を追った。  ただ名前不詳は車の免許を持っていなかった。
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