Re:FCT

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Re:FCT

 お洒落をして法は今日街に来た。  最近設営された、Wi-Fiタワーの前でモデルの仕事である。  東京となぜか広島に三塔ずつ東京には渋谷、新宿、池袋に一つずつWi-Fiタワーが区内全域に電波を通して、スマフォやPCの手助けをする為、二十メートルの高さで在った。  衛星から区内全域にWi-Fiを飛ばすものだった。  Wi-Fiタワーは全面が白色で作られていて、その面の上に電光掲示板でSONYやSoftbankやHUAWEIなどの一流メーカーが所狭しと横にスクロールして流れていた。  巨大なスーパーコンピュータとして、区内全域のWi-Fiの要としてある。  Wi-Fiタワーの前で色んなポーズをしてカメラマンにOKを貰う法。  一番いい姿は結局、Wi-Fiタワーに凭れ掛かりながら、スマフォをWi-Fiに接続して待ち合わせをしている風な姿が時代に一番マッチしていた。  Wi-Fi タワーには電照パネルが細部に埋め込まれていて、信号が変わるとパネルに細分化された<モデルの俳優>が、サーッと砂埃が吹き飛ばされたたように散り散りになって、姿を消しては次のトピックが街に明るみと安心感を{齎|もたら}していた。  Wi-Fiタワーの前での撮影を終えると、<カメラマンたち>に別れを告げると法は、日焼けサロンの店の前に立っていた。  玄関口にはセキュリティーの<警備員>が立っていて、店の中にあるロビーは四方に渡ってバスケットボールが出きるほどの広さだった。  玄関先で中の様子を伺い中に入っていく法。  店の中の受付にいた女が法に気づいてこちらにやってくる。  法に声をかける。  「あんた、ゴン美じゃないのさー?」  法はこたえた。  「アキさん!オッス」  新着の洋服を父親に見せるように法は<アキ>の前に元気よく現れた。  「どしたの?懐かしいね、覚えてる?よくアタシと<ミカ>とゴン美で三人してコンビニの氷食べたよねー」  笑顔になってこたえる法。  「覚えてる!ミカさん元気かな」  「会ってないからなー」  「アキさん、あの当時なんで男の子から白マリモってあだ名付けられてたの?」  「懐ー)、アタシが白マリモでアンタがゴン美。ゴン美はいつも日サロ行くっていってゴン黒にしてたからだよね。アタシはツンツン坊主で髪白くしてるときあったからね、それで。それにしてもあだ名って、普通愛称とかって言うじゃない?昔よねー」  少し反論して法はこたえた。  「時代は今も昔も発展途上、良くなってるよ」  「今に満足するってやつね」  笑顔で談笑しているアキの顔が真剣になった。  「それで今日はどういう用?」  おどけながら法はこたえた。  「ぢつはこれなんだけど」  アキは法から手渡された写真を見ると、光に翳して見たりして法に言った。  「ぢゃあこの写真部屋に一枚づつ全部に、貼っておいてあげるから全部よこしちゃいな」  「ホントッ!?全部はちょっと、この後寄る所もあるし」  「可能なだけでいいよ、それはそうと、焼いてくの?」  こくりと頷いた法。  アキの営む日焼けサロンで全身を焦がす法。  ルームに入ると日焼けマシンの機会の中、寝転べる法。  スマートスピーカーに話しかける法。  「ヤッホーヤフー、落ち着く音楽を掛けて」   スマートスピーカは法の指示に従った。  全裸ではなくブラジャーを付けてパンツを履いて日焼けをする法。  足の裏も日焼けしようとするが少しして気づいた法。  「ブラのラインとパンティーラインと足の裏」  胸と股と足の裏が日焼けしてないのが聖の好みらしい。  法の足の裏にはハート形のタトゥーがあった。インドに古くから伝わる因習でカースト制度というものがあり足の裏のタトゥーはスードラ・奴隷という意味に因んだものだった。法は自分のことを愛の奴隷だと言う。  (はあー水星辺りまで行って太陽の直射日光で真黒(まぐろ)になりたいわー)  受付にいるアキのもとに法がこんがり黒焼けで現れた。  「いいじゃん!ゴン美、似合ってるよ」  「アキさんありがとう、またね」  手を振る法。  見送るアキ。
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