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『どうしたの?何?この音……?』
『……あ、なんでもないの……。』
佐和子は明らかに俺から目を逸らし俯く。
『……そう?佐和子ちゃんもお風呂入って来て。今、お湯溜めてるから。』
『え!わざわざ入れ直してくれているの?』
『当然だよ。……どうしたの?』
『……あ、ごめんなさい……。』
佐和子は何か言いたそうな表情をするが、唇を噛み締める。そして、お風呂の準備をしてお風呂場に行く。
俺は少し気になり、どうしたのかを考えたけど見当もつかなかった。
待っている間、携帯のメールの確認をしようと鞄を探るが携帯がない。失くしたと思い慌てて探すと机の下に落ちていた。
『良かったー!失くしたかと思った!』
俺はメールの確認をすると、メールが数件来ていた。バイト先の店長からのシフトについての内容、高校の友人の裕太が送って来てくれている近況報告、そして先程会った清水さんからだった。
俺は清水さんからのメールに驚く。……何故かこれだけメールが開いていたからだ。何かの操作で開いてしまったのか?そう思いつつ、メールを開く。そこには……。
『圭介、さっきは偶然!なんかすごいよね?ねえ、それでなんだけどさ、今度圭介の家に行っていい?話があるの!』
と書いてあった。
── え?家?どうして?話なら大学でしたらいいのに?
そう思い返信するも、清水さんは家に来たいと何度も言って来た。理由を聞いても、「察して」とか「ゆっくり話したい」とか言ってくるだけ。……なんだろう?
俺は何か悩んでいるのではないかと感じた。……でも、家に向かい入れるのは嫌だった……。だから……。
『ごめん、今度大学で良いかな?』
そう打ち込んだ。するとメールは返って来なくなった。
── 傷付けたよな……、でもこれだけは譲れない……。
そう思っていると佐和子が上がって来た。女性は色々手入れがあるらしく、顔や体にクリームらしき物を塗っていた。
こうして、今日も一緒の布団に入る。
『圭介くん……。』
佐和子は俺を見て話してくる。
『あ……、やっぱり狭い?』
『そうじゃなくて、さっき会った人は誰?』
『大学の友達だよ。』
『家に……。……なんでもないの……、あのね……。』
『何?』
『……私の事好き?』
『え?……うん。』
『……じゃあどうして?……私ってそんなに……魅力ない?』
『え?』
佐和子に言われている意味が分からなかった……。
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