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「…赤くなっている」
そしてもう片方の手の甲でそっと私の頬を撫でると、そのまま親指で私の唇を撫でた。
「…俺のキスは好きか」
息が止まる。動けない。答えられない。
穂月の親指、破壊力強すぎるでしょう!?
指先一つで魂を抜かれたみたいな気分になって、呆然と見惚れている私の顎に指をかけて、
「なら、いい」
長いまつ毛を伏せると、
「また、俺を好きになればいい」
穂月はゆっくり口づけた。
柔らかく。優しく。
甘く。食むように。
避けようと思えば避けられた。多分。
でもそんなことは1ミリも考えられず、
…うん、穂月、…
って、ウンじゃないだろぉおお―――いっ!!
頭の後ろの方から聞こえる理性の警告を根こそぎ無視して、穂月のキスに溺れてしまった。
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