iiyori.01

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「…赤くなっている」 そしてもう片方の手の甲でそっと私の頬を撫でると、そのまま親指で私の唇を撫でた。 「…俺のキスは好きか」 息が止まる。動けない。答えられない。 穂月の親指、破壊力強すぎるでしょう!? 指先一つで魂を抜かれたみたいな気分になって、呆然と見惚れている私の顎に指をかけて、 「なら、いい」 長いまつ毛を伏せると、 「また、俺を好きになればいい」 穂月はゆっくり口づけた。 柔らかく。優しく。 甘く。食むように。 避けようと思えば避けられた。多分。 でもそんなことは1ミリも考えられず、 …うん、穂月、… って、ウンじゃないだろぉおお―――いっ!! 頭の後ろの方から聞こえる理性の警告を根こそぎ無視して、穂月のキスに溺れてしまった。
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