iiyori.01

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「行きがかり上、手を貸すのはまあ百歩譲って好きにすればいいけど、…」 私の内心などお見通しのマキちゃんは、牛乳を飲み終わった卯月の背中を優しく撫でながら、 「何があっても絶対あの子を好きになっちゃダメよ。何をどう考えてもあんたたちに未来はないからね!!」 くっきりはっきり、ぐっさりと釘を刺した。 「な、…ないないない」 あはは、と薄っぺらい笑顔を張り付けて片手を振る私は、自分でも胡散臭いと思う。 穂月を好きとか、… 彼は頭がおかしいし得体がしれないし。 激しく年下だし高校生だし子連れだし。 ないないない、どう考えてもない。 大体私はもういい大人で、立場も世間体もあるし、結婚とかも考えているわけで。真面目なだけが取り柄だし。そんないい年して運命の恋とか、奇跡の恋とか、夢みたいなこと思ってないし。 ないないない、あるわけない。 穂月を好きとか、…
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