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お昼寝中の卯月を保健室のマキちゃんに預けて、お昼休みに様子を見に行ったら、穂月が死ぬほどモテていた。
「え~? 穂月くん、お弁当持ってきてないの? 一緒に食べよう」
「なえちゃん、家事出来そうにないもんね。明日から作ってきてあげるよ」
「ねえねえ何が好き? 購買のパン買ってきたよ」
「放課後ヒマ? 遊び行こ?」
「海外に居たんだっけ? 日本案内してあげるぅ~」
穂月の周りを、どこぞのアイドルが来たのかと思うくらい大勢の生徒たちが取り囲んでいて、女子はみんな可愛さを前面に押し出し、
「志田のシュートすごかったな」
「足めっちゃ速いじゃん」「なんかスポーツやってたの?」
「サッカー部に入らねえ?」「いやいやバスケでしょ」
「たたずまいからして剣道がいいと思うけどなあ」
男子は男子で穂月の能力の高さに勧誘を繰り広げている。
当の穂月は静かな微笑みを浮かべて周りの話を聞き、丁寧に受け応えている。なんだか周りを囲まれたり、かしずかれたりすることに慣れているように見える。
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