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「…会いたかった、なえ」
感極まった感じの穂月には悪いけど、苦労が重なって精神が崩壊してしまった生徒説が濃厚だと踏み、志田穂月なんて名前の生徒いたっけなあ? と頭の片隅で生徒名簿を端からめくっていると、
「ん、…んんん、…――――――っ!?」
気づいたら床に押し倒されていた。
月明かりに照らし出された美しすぎる顔が間近に迫り、甘く柔らかい唇が優しい雨のように落ちてくる。
「ちょ、…待、…っ、…え、…っ!?」
なんかさっきからこの頭のおかしいイケメン、キスしまくってくるんだけど!?
訳も分からず、ともかく止めようと開いた口に、長い舌が差し込まれた。
…あ。
本能が、やばいと警告する。けど、もう遅い。
穂月の体温を上から感じながら、深く重ね合わされた唇の中で、奔放に動く舌先に奥まで探られて、一瞬で身体中に歓喜が湧き起こってしまった。
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