黒井VS黄崎(赤坂 side)

2/4
203人が本棚に入れています
本棚に追加
/362ページ
黄崎に睨まれても臆することなく、黒井は無敵の笑みを見せる。 「たぶん、ノートの答えは合ってると思うよ?僕は赤坂ほど頭はよくないけど、これくらいの問題なら簡単に解けるからね、普通は......」 「殺されたいのかてめぇ!!」 黒井の挑発に黄崎は敵意をむき出しにしている。やべぇ、黄崎がこんなに怒ってるとこ初めて見た。それに黒井がこんな態度取ってるのも初めてだ。 「あの、黒井、黄崎と何かあったのか?」 そう問うと、黒井はまた普段の愛らしい顔に戻った。 「えっと、その.......いつも黄崎くんにノートを見せてるから、大変そうだなって思って.......」 「ああ!?」 「赤坂が一生懸命やった宿題なのに.......。毎日貸すなんて赤坂が可哀想だから、代わりに僕がその役割を引き受けようって.......」 「誰がお前なんかに借りるかっ!」 ところどころで黄崎の怒鳴り声が入る。しかし黒井は全く動じず、潤んだ瞳で俺を見上げている。何なんだよこの状況は.......。 .......という流れで、現在目の前で謎のバトルが起きている。そりゃ何回宿題借りに来るんだよとか思ってたけど、そこまで気にしてなかった。まさか黒井がそんなこと気にかけていたなんて.......。というか、そのやり取りを見ていたことにもびっくりだった。 2人は未だにバチバチと火花を散らしている。接点がないように思えるけど、実は犬猿の仲?もうどうしたらいいのやら.......。 「まあまあ、2人とも落ち着けって」 「お前は黙ってろっ!」 宥めても黄崎に言い返された。何で今度は俺が怒られてるんだよ。もう意味がわからない。 「黒井。黙って聞いてりゃ偉そうなことばかり言いやがって!オレと赤坂のやり取りはスキンシップのひとつなんだよ!」 「ス、スキンシップ!?君と赤坂が!?」 「そうだよス・キ・ン・シ・ッ・プ。別に宿題なんか借りなくたってできるわ。男同士の朝の挨拶代わりだよ!こうやってオレと赤坂はコミュニケーションを取ってるんだよ!」 「ノートを借りることがスキンシップ?笑わせないでよ。ただの迷惑行為じゃん!」 「うるせぇんだよいちいち!」
/362ページ

最初のコメントを投稿しよう!