右!左!後!

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ナースステーションまで行き、先程のナースを呼び止めて頭の処置を行ってもらう。 のびた髪はバリカンで丸刈りにされていた。 私「頭の処置って難しいですか?やっぱり」 NS「やることは変わらないよ、基本はさ、褥瘡を洗浄するでしょーーーハァ 言うと怒られるんだけど、こんだけの褥瘡、まず腐ったとこ切除(外科的デブリードマン)するんよ。ココ(病院)はやらないからね。治るわけないんよ。コストかかるからっていい薬は処方してくれないし、ゲーベンやイソジンシュガーさえ充分にないのよ。良くなってきてもドレッシング材(傷を覆う医療用材料)もないし。患者を馬鹿にしてるよね」 ナースも処置してあげたくてもドクターの指示がなけれはできない。薬も資材もない。 殺伐としたナースステーションの裏にはこう言う苛立ちもふくまれているようだ。 処置をしたナースとお互いファブリーズを掛け合って退出した。 このナースは今後私の心の相棒になる、ガッキー(仮名)と紹介しておこう。
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