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「ノエリアはホールデンと将来結婚するんだよ?」
「けっこん‥?わたしがホルディと‥?」
「そうだ」
先程まで笑っていたノエリアの顔をが曇る。
ラランド公爵とハワード国王は不思議そうにノエリアを見ていた。
「‥‥ホルディとは、けっこんしないわ」
「‥ッ!!」
「ノエリア‥!!」
結婚してしまえば、今のような関係で居られないような気がしたのだ。
それはノエリアが見ている両親の仲が悪い事も関係していたのだろう。
表向き仲の良い両親も屋敷に帰れば氷のようだ。
ホールデンはショックを受けたのか、頭に乗っていた花冠がパサリと地面に落ちる。
ラランド公爵は慌てた様子でノエリアの名を呼んだ。
「ノエリア‥!」
「ハイメが‥ハイメがけっこんすればいいのよ!」
「どうしてだ?ノエリア」
「だって!ホルディとは‥」
"仲良しのままで居たいから‥"
そんな言葉を飲み込んでノエリアはドレスをギュッと握りしめた。
「ホルディは、おともだちだから‥‥けっこんはできないわ」
「ホールデン殿下、申し訳ない」
ノエリアの言葉が余程ショックだったのか、涙を溜めたホールデンは今にも泣きそうに肩を揺らしていた。
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