⑥転生したら皇女様でした〜推しがピンチなので婚約破棄してから国に持って帰ります〜

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「デクラン様……」 「……?」 「わたくしと………一緒に皇国へと行きましょう?」 「………え!?」 その言葉に、さすがに周囲の人達も戸惑いを隠せない。 「つ、つまりナシール殿下と婚約破棄して、デクランと……?」 「わたくしはデクラン様に聞いているのです。部外者はお黙りになって下さいませ」 「……っ、申し訳ありません」 「ああ、好きにしろ……!チェリーのストーカーが居なくなって清々する」 「………殿下ッ!!」 「それに邪魔者も消えたしな!今日は最高の日だ」 「ですねぇ」 タイミングよく侍女が戻ってくるのを見て、笑みを深めた。 侍女から書類を受け取る。 学園に万が一にと預けられた書類。 今頃、早馬が出されて国王達の元にも伝わるのだろうが、その時にはもう完全に手遅れだろう。 「今、この瞬間から……貴方とわたくしの婚約は破棄されました。それから、この国の食糧支援も打ち切りですわ」 「……!!」 パチンと扇を畳んで淡々と言い放つ。 ペタリと膝を突き絶望する人々を見て、流石のナシールもその言葉を聞いて焦りを滲ませる。
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