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そんな見え透いた作戦に、まんまと嵌められたノエリアは有りもしない罪を被せられそうになっている。
しかし面倒くさいからといって「はい、そうです」などと2人の発言を素直に認めるわけにはいかない。
「ホールディ殿下‥‥この件は、陛下に報告させて頂きます」
「え‥?」
「わたくしが責められるより先に、殿下の不貞がバレますが‥‥そちらの対応や言い訳は大丈夫ですか?」
「‥っ!!」
国王であるハワードは聡明な王だ。
自分にも厳しいが故に、幼い頃からホールデンにも良き王になれるようにと様々な事をホールデンに求めてきた。
そのプレッシャーが少しでも軽くなるようにと、ノエリアもホールデンを支えようと懸命に努力してきたつもりだ。
そんな絆も時間も、全て無に返すホールデンの発言の数々に、捨てた筈の心が痛んだ。
(わたくしはホールデン殿下にとって、そんなに軽い存在だったのね‥‥懸命に周囲の期待に応えようと努力していたのが馬鹿みたいだわ)
「そもそも虚偽の罪を被せて、わたくしを殺すにしては些か証拠が足りませんこと?」
「そんな事ないわ!お母様もハイメも、お父様だって私の味方なのよ!?」
「あら‥だから何だと言うの?」
「‥‥っ!!ホール様ぁ」
「レ、レイチェル‥」
「だって、私が気に入らないんでしょう?妹のくせに王太子の婚約者だなんて変だわ!本当は私が‥っ」
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