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「貴女に妹と呼ばれる筋合いはないわ」
「‥なっ!」
「それに貴女が義姉になったとしてもラランド公爵家の血は流れていない」
「それは‥っそんなの関係ないもん!」
ノエリアは鋭くレイチェルを睨み付ける。
レイチェルはわざとらしく肩を震わせてホールデンに擦り寄る。
やはりレイチェルは何も考えないまま、思ったことを口にしているのだろう。
ドロシーに言われるがまま動いている彼女にアドリブはきかないらしい。
(マナー講師に話が通じない人の対応を、詳しく聞いた方がよかったかもしれないわ)
それでも「本当にノエリアがやったのよ」と「信じて、ホール様」という苦しい言い訳がレイチェルの口から飛び出していく。
再び溜息を吐いたノエリアは2人に背を向けて歩き出す。
「まっ待て、ノエリア!」
「詳しい話は、陛下の前でお願い致します」
「父上には‥」
「陛下に報告せずに、どうやって婚約破棄するのです?」
「っ!」
「あぁ、殿下はわたくしの事はもう不要なのですものね?」
「‥‥そ、れは」
「わたくしに言うより、先にお父様と陛下に先に報告して下さいまし」
ホールデンはノエリアの言葉にやっと自分の置かれた状況を理解して焦っているのか、近くにいる騎士に声を掛けてノエリアを拘束するように命令をせる。
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