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「‥‥ッ、ノエリア・ラランドを牢に連れて行け!!」
「ですが殿下‥!理由もなくノエリア様を牢に入れるなど!!」
「煩いっ!!早くノエリアを牢へ連れて行けと言っているんだ」
「‥‥ノ、ノエリア様にそんな事は!!」
戸惑う騎士にホールデンは鋭く命令を放つ。
仕方なしに数人の騎士はノエリアの手を取り歩き出す。
ノエリアが背後を振り向くと満足気に微笑んでいるレイチェルとノエリアから気不味そうに視線を逸らすホールデン。
(貴方は変わってしまったのね‥)
「ノエリア様、申し訳ございません‥!」
「いいのよ‥貴方達の為にも一応牢に入れて」
小さい頃から城に出入りしているノエリアは、働いている騎士達とは顔見知り、もしくは知り合いである。
「ですが‥!!」
「陛下が帰ってきたら直ぐに知らせて頂戴」
「けれど、ラランド公爵には‥!」
「お父様にはいらないわ‥わたくしの味方をするかどうか分からないから」
「‥‥っ、かしこまりました」
ーーーガチャン
ノエリアの前で冷たい鉄の牢が閉じる。
心が歪んでいくのを感じながらノエリアは静かに目を閉じた。
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