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祭りの後に 二人で見た花火が 幾度も脳裏を過る あの日、一緒に過ごした時間は 誰かが重ねてきた思いかもしれない 恋をして、飛び立っていく 地面が揺れる音がした アスファルトの道を進んでいく 古い思い出の話が 煙草の煙と共に消えていく ナイフで突き刺すほど 激しい感覚に 酔っていたと アルコールについて語っていた 目の前の誰かの瞳を覗きこもうとする瞬間に いつかの日が差した 午後の夏の町の中を 駆けていくのはいつだったか 今でも浮上するのは 悲しみに濡れた 花びらが舞う協奏曲 誰かが言っていた気がする そんなことが伸びては 繰り返しているから 抱きしめたものは 雲の中に移ろっていく 辿っていけば 誰も知らない暗闇がある 路地裏の建物の中にあるものが 時間を巻き戻していき 部屋の中が映る
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