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命
崩れた欠片は、いつかの日の中に
静かに溶けていこうとしているから
流れていくのは、それだけではなかった
同時に浮上するのは
水面を越えていく何かだ
だから探していたものは
まだ遠くにいるようでパズルが散らばる
夢の後に目覚めた時、それが破裂する。時間を掛けて、塗りつぶしていく。
忘れたかったのは、いつかの野原に
そこにいるのはたんぽぽの黄色の花が
乾燥したから、呼び戻すのは
いつかなくした温度に似せて
今日も帰り続ける
音楽が伝える旋律に寄り掛かり
もう溶けていくなら変わることはない
失われた風景が、飛び続ける
蝶は華麗に待って、消失してしまった
花火のように、無数になって
機械が弾け飛ぶ
いつかの残像は、追いかけていた姿に
同化していくように思えた
ただの閃光に近づくと、水の流れと共に
また新しい火が連なる
蛍光灯は自由に紛れて
新しい静寂を待っているから
ただ南にあった海の
命に交差していくのは
現実の風景だった
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