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暗いから夜空が蜃気楼の先にあって 見ていたものは極端に弾けているようで、 ただ進み続けるのも 無感覚な飛行機だった だから歩き出すまでの時間が羅列していたのは 僅かな熱を帯びて 手に入れることもできない 乾燥しているので、彷徨っている 昔、見た風景が霞む いつかの静寂を帯びて林檎の木になった いつまでも終わらないから 空想に溶けていくのは 残響だったかもしれない 描いた景色は宙に舞い 今でもそれが残っていた 虚しさは遠くまで伝わり、 画面の時間が過ぎていくのは、 誰かの町の景色を もう一度作り出そうとしていたので、 やっぱり沈んでいくようだ 辺り一面が月の光に紛れて 訪れようとしているから 歳月が今でも抱きしめるのは 他に道があって 進んでいくのは、酸素のように 未だ知らない夏の日に 冷房の中で佇む 全てが続いていくように 願っていたのは祭りの後で 蘇る月日に 電気が流れるみたいだった
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