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蘇るいつかの幻影が 奇妙に流れていくから 辿っていった それはどんな月か 今でも覚えているのは 不確かな信号機に 窪んだ月の影だった だから進み続ければ 立ち止まって見えるのも 夢の中を紛れていく 落ち葉が積み重なって 次第に溶けていくので それは点線の望みだった また浮上しては戻る 繰り返している だけれど先にあるのが ただ流れていく川なら 蝋燭に火が灯る 数々の夢や幻が花畑に浮かんでは流れていく 沈黙していた月日の中には 未だに描いている絵があって 溶けていく 海を彷徨っている 辿り着いた時に海があったなら また消滅していくから 遊んだ夕日の影に 遊具の音がただ響く 忘れていたことを思い出して 先が閃光に包まれている
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