祭り

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祭り

祭りの後に響く 残響に囚われながら ただ歩き出す 火が消えていくのは 無くしたものを追従して 今でも見ていたのは あの日の窓からの夕日だった いつまでも覚えている 霧散していった時間が 再度、扉を叩く あれはいつのことか 夢の中でただ消失していくのが 辿り着いた果てだったような気がする アルコールの酔いに アパートの部屋の中が現れる 見ていたのはなんだったのか 本当にあった景色なのか ただ消えてしまえば そこから何かが始まる気がする ウイスキーのラベルの文字を見て その中に探し物をしている 隣の部屋の物音が 静かに響いた時 煙草に火をつける ベランダに出れば あの日の火花が空に散りばめられていく 星はまばらに輝いて 大きな丸い月が浮かんでいる 記憶がただの夢のシーンみたいに 繰り返し過っていく
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