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いつかの雨は溶けていくので、 ただ街の景色の中に揺れていた 曇り空が覆いつくした それすらも曖昧で、どこかへ旅立つ 夢の跡は悲しげで、それすらも 薄れて霧散していった テーブルにあったのは、流れていく歳月で 見失ったのはいつかの光だった 霧雨がアスファルトへ落ちていく 遠くの風景が言葉を見失って それを繰り返しているので 流れていくのはいつかの河原に 咲いた風に揺れる花 終わった世界から時間が訪れる 音符を叩き続ける 風景は夜のように 暗く、湿っていたから 悩んでいたのは 誰だったか 月日は過ぎ去っていく 辞書は役に立たない ただ羅列していく 全てが消えていったら そしたら死が次第に蘇るかもしれない あの日無くした思い出は 記憶の束に変わっていった なんでこんな風に 遠ざかっていく 太陽の光は 雨に包まれている
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