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静寂の奥に連なる地面が 流れて消えていくのは奇妙だ 夢の跡に懐かしい旋律は 音楽のように美しく 虚しい想像だった だから沈黙の中にある 瞳に直接当たるのは 大地を夢見る鼓動の中に 静かに溶けていくので 忘れかけた記憶の点線を連ねる 猫の形に紙が撒き散らす あらゆるものの影に いつも抱いているものは 止まない雨だったから どこかに進んでいく 地続きの太陽が降ってくる 上り続けるのは 不穏な信号機で 無くしたそれは現実かわからず いつかの時計に変わっていく だからそうやって渦になっていくので 歩き出すのは影だったから 蘇るのはあの時の あの日の感覚だった またやってくる 扉が迎え入れる 煙だったみたいだ 蜃気楼は宙に舞うので 踊りの音と共に 浸食していくのを感じた
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